【新暦:およそ5月10日~5月14日ころ】
立夏 次候 蚯蚓出(みみずいずる)
みみずが土から出てくる頃です。
みみず、というと苦手な方もいらっしゃるかもしれませんが、農業に欠かせない土にとっては八面六臂の大活躍をする益虫です。みみずという日本名の由来は「見えず」といわれるように彼らには目はなく、口から糞を出すまでの全身が消化管のような体をしています。
英語では「Earthworm」ですが、名前に「Earth(地球)」が入っているくらいに土壌にとって、植物にとって・・・ひいては地球にとって彼らは小さくも偉大な存在です。
土壌に対しては腐敗物(生物の死骸や落ち葉、糞など)を食べて分解し、土壌のph値を調整したり保水性や酸素含有量を高めたり、更には死んだ後には土壌に窒素養分をもたらします。そして食物連鎖においては、モグラやイノシシ、鳥や肉食の昆虫も彼らを食べます。みみずは生きる活動による土壌への働きのみならず、自らも土壌や他の生きものたちの糧となるのです。
ミミズといえば欠かせない人がいます。自然淘汰説を唱えたチャールズ・ダーウィンです。彼は著書の中で「植物が生えている土はミミズの身体を何度も通ってきている」と述べています。ダーウィンは小さなちいさな存在の働きを想像し28歳から40年以上もかけて丁寧にミミズを研究して生態を明らかにし本を出し、その翌年に亡くなっています。
その恐ろしいほどの慧眼と凄まじい好奇心、科学研究への誠実な姿勢をもっていた彼が、もし生きていたら、この世界の状況をどのように観察したのだろう・・・。そんなことを考えてしまいました。「蚯蚓出」の今日はミミズの偉大な働きを明らかにしたダーウィンの言葉で終わりにしたいと思います。
「ミミズには目も耳もないが、光も音も感じている。その証拠を集めてから本を書きたいんだ。ミミズをばかにする学者が多いからね」
※チャールズ・ダーウィン ミミズと土より
※おすすめのダーウィンのミミズの本:ダーウィンのミミズの研究
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テンスタイルヨガスタジオ事務局
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